新たな在留管理制度

§新たな在留管理制度の概要

新たな在留管理制度は、これまで入管法に基づいて行っていた情報の把握と、外国人登録法に基づいて行っていた情報の把握を基本的に一つにまとめて、法務大臣が在留管理に必要な情報を継続的に把握する制度の構築を図ろうとするものです。我が国に中長期間,適法に在留する外国人が対象となり,在留カードが交付されるほか,届出手続などが変わります。新制度の導入により在留管理に必要 な情報をこれまで以上に正確に把握できるようになりますので,在留期間の上限をこれまでの3年から最長5年とすることや,1年以内に再入国する場合の再入 国許可手続を原則として不要とするみなし再入国許可制度の導入など適法に在留する外国人の方々に対し更に利便性の向上を図ることが可能になります。
なお,新たな在留管理制度の導入に伴って外国人登録制度は廃止されることになります。
新たな在留管理制度は、改正法が交付された平成21年7月15日から3年以内の政令で定める日から施行されます。

※新たな在留管理制度について、新たな内容のサイトが開設されました。

§対象者

 新たな在留管理制度の対象となるのは,入管法上の在留資格をもって適法に我が国に中長期間在留する外国人で,具体的には次の方々以外の方々です。

  1. 3月以下の在留期間が決定された方
  2. 短期滞在の在留資格が決定された方
  3. 外交又は公用の在留資格が決定された方
  4. これらの外国人に準じたものとして法務省令で定める方
  5. 特別永住者の方
  6. 在留資格を有しない方

§在留カード

 新たな在留管理制度の導入に伴い交付される在留カードは,対象となる方に対し,上陸許可や在留資格の変更許可,在留期間の更新許可等の在留に係る許 可に伴って交付されるものです。在留カードには,写真が表示されるほか,次の事項が記載されます。また,偽変造防止のためICチップが搭載され,券面記載 事項の全部又は一部が記録されます。

  1. 氏名,生年月日,性別及び国籍の属する国又は入管法第2条第5号ロに規定する地域
  2. 住居地(本邦における主たる住居の所在地)
  3. 在留資格,在留期間及び在留期間の満了の日
  4. 許可の種類及び年月日
  5. 在留カードの番号,交付年月日及び有効期間の満了の日
  6. 就労制限の有無
  7. 資格外活動許可を受けているときはその旨

§メリット

※在留期間の上限が伸長されます。

現在「3年」の在留期間を定めている在留資 格について,「5年」の在留期間を法務省令で定める予定です。また,「留学」の在留資格については,本年7月1日より,在留期間の最長期間が「2年3月」 となっておりますが,新たな在留管理制度の導入により,新たに「4年3月」とする予定です。

※再入国許可制度を見直します。

有効な旅券及び在留カードを所持する外国人の方で出国後1年以内に再入国する場合には,原則として再入国許可を受ける必要はなくなります。なお,この制度の対象とならない方については,別途省令で定めることとなります。また,再入国許可を受ける場合の再入国許可の有効期間の上限について,これまでの「3年」から「5年」に伸長されます。
(※)新たな在留管理制度の開始に併せて実施されます。 

§注意

 新たな在留管理制度の導入に伴い,以下のような在留資格の取消し事由,退去強制事由,罰則が設けられています。

※在留資格の取消し事由(入管法第22条の4第1項)

  1. 偽りその他不正の手段により在留特別許可を受けたこと(第5号)
  2. 配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留すること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)(第7号)
  3. 新規上陸後又は従来の住居地を退去した後90日以内に,住居地の届出をしないこと(届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除く。)や虚偽の住居地の届出をしたこと(第8号〜第10号)

※退去強制事由(入管法第24条)

  1. 在留カードの偽変造等の行為(第3号の5)
  2. 中長期在留者の各種届出等に関する虚偽届出等や在留カードの受領・提示義務違反により懲役以上の刑に処せられたこと(第4号の4)

※罰則

  1. 中長期在留者の各種届出等に関し,虚偽届出等や届出等義務違反,在留カードの受領・携帯・提示義務違反(入管法第71条の2,第71条の3)
  2. 不法就労助長罪の見直し(入管法第73条の2第2項)
  3. 在留カードの偽変造等の行為に係る罰則(入管法第73条の3〜第73条の6)

§特別永住者の方への特別永住者証明書の交付

 特別永住者の方については,新たな在留管理制度の対象とはせず,基本的には,現行制度と実質的には変わりませんが,利便性を図るための見直しを行っ ています。 新たな在留管理制度の導入に伴い,外国人登録法が廃止され,外国人登録証明書も廃止されますが,現在特別永住者の方に交付されている外国人登録証明書がそ の法的地位等を証明するものであることなどから,これと同様の証明書として,法務大臣が特別永住者証明書を交付することとしています。

また,特別永住者証明書の記載事項は必要最小限の内容とし,外国人登録証明書の記載事項と比べて大幅に削減しています。その上で,記載事項の変更や再交付などに係る手続は,従来どおり,市区町村の窓口で行うこととしています。

さ らに,再入国許可制度を緩和することとしており,有効な旅券及び特別永住者証明書を所持する特別永住者の方については,原則として,2年以内に再入国する 出国について再入国許可は不要になります。また,再入国許可を受ける場合の再入国許可の有効期間の上限について,これまでの「4年」から「6年」に伸長さ れます。

 新たな制度の導入に伴い交付される特別永住者証明書には,写真が表示されるほか,次の事項が記載されます。また,偽変造防止のためICチップが搭載され,券面記載事項の全部又は一部が記録されます。

  1. 氏名,生年月日,性別及び国籍の属する国又は入管法第2条第5号ロに規定する地域
  2. 住居地
  3. 特別永住者証明書の番号,交付年月日及び有効期間の満了の日

§研修・技能実習制度の見直し

 研修生・技能実習生の保護の強化を図るため,次の活動を行うことができる在留資格「技能実習」を新たに設けます。

 改正法が公布された平成21年7月15日から1年以内の政令で定める日から施行

§在留資格(ビザ)「留学」と「就学」の一本化

 留学生の安定的な在留のため,在留資格「留学」と「就学」の区分をなくし,「留学」の在留資格へと一本化するものです。なお,法律の施行後,活動内容に変更がなければ,現在「就学」の在留資格を有する学生の方が「留学」に変更する必要はありません。
改正法が公布された平成21年7月15日から1年以内の政令で定める日から施行

§在留期間更新申請をした方の在留期間の特例

 在留期間の満了の日までに申請した場合において,申請に対する処分が在留期間の満了日までにされないときは,その在留期間の満了後も,当該処分がされる日 又は従前の在留期間の満了の日から2月を経過する日のいずれか早い日まで,引き続き当該在留資格をもって本邦に在留することができる規定を設けるもので す。
改正法が公布された平成21年7月15日から1年以内の政令で定める日から施行

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Motoki Wada | 行政書士 em plus 法務事務所 代表

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